今月号のながさきPRESSでは「無粋」「異様な威容」などと酷評されていた歴史文化博物館。昨年11月のオープンで、もちろん初めて。美術博物館時代には何度もいったことがあるのだが。
実際はどんなもんか、自分の目で確かめないと、と思いつつ諏訪神社方面から歩いていると、博物館らしき建物が視界に入った。
なんだ、そんな悪くいうほどの建物じゃないじゃないか。
風格はあるけど威圧感、というほどでもないし。でも、この場所前の美術博物館の場所だったっけ? もう少し入り込んだ場所のような記憶があるんだけど・・・・
よく見てみると、ここは「サント・ドミンゴ教会跡資料館」。博物館はその先だった。
な~んだ、と歩を進めて、その先で目にしたものは。
・・・・
なんだこれ?
知らなければ博物館とは思わなかったでしょうね。必要以上にでかい天守閣のような建物。しかもその石垣といい白壁といい、白々しいほどに偽物っぽい。この質感のなさは展示品への期待をすべてかき消してくれるほどに、空虚そのもの。
館内は真新しいが落ち着きがあって、外観ほどには不快感はなかった。特別展と常設展の共通チケットを購入して、中に。
ここの目玉は長崎奉行所の復元。外観と同じく、真新しすぎて現実感のなさが気になったが、時代劇でよく見る奉行所の内部はこんな感じだったんだな~、とけっこう興味深かった。
長崎奉行所といえば「長崎犯科帳 」(1975年)。萬屋錦之介演じる長崎奉行が田中邦衛と手を組んで許せぬ悪を闇に葬る、という長崎版仕置人みたいなお話。中村嘉葎雄が錦之介のライバル役で出演した18話と、竜崎勝@高島彩パパと郷英治@キバ男爵の悪役ぶりがすばらしかった6話は時代劇ファン必見の傑作だった。と何の話してるんだ。
閑話休題。造りはともかく、展示内容は、見せるための工夫が凝らされていて、なかなか面白かった。
CGを使った映像による案内や、ミニゲーム風の趣向などがちりばめられ、博物館というよりテーマパークのような雰囲気。威圧感どころか、むしろサービス過多な感がするほど。これなら子供連れでも飽くことはないだろう。
館内の係員の対応も丁寧で、好感が持てた。これで時間を経て、建物が周囲の風景に馴染んでいけば言うことはないのだが。
特別企画展は『北京故宮博物院展』。西太后とラストエンペラー・溥儀にスポットを当てた内容。特に興味はなかったのだが、以外に興味深い内容だった。日本が幕末の動乱の時期を迎えていたときの、中国の様子が垣間見えて、なかなか面白かった。
長崎歴史文化博物館
長崎県立山1丁目1-1
市電諏訪神社電停徒歩5分
開館時間 8:30~19:00
休館日 毎月第3火曜日
ホームページ
観覧料(常設展) 大人:600円
北京故宮博物院展
開催期間 2006/1/21~2006/3/5
観覧料 一般:1000円 (常設展共通券:1400円)