長崎県美術館、常設展の方も見てきた。。
展示室第2室では、現在昨年11月に急逝された陶芸デザイナー森正洋氏の追悼展が開催中
森正洋、といってもピンと来ないかもしれないが、G型しょうゆさしといえば、知っている人も多いはず。
↑これをデザインしたのが、波佐見・「白山陶器」のデザイナーだった森正洋氏。
森氏は昭和31年に白山陶器に入社後、35年に第1回グッドデザイン賞を受賞、その作品は一貫して、「日常の生活」に密着した、普段使いの器にこだわり続けている。
波佐見焼と言えばロングセラー「くらわんか茶碗」で江戸時代の大衆向け食器のトップブランド。そう考えると、伝統的な波佐見焼からは少し離れた位置にあるように見える森氏の活動も、実は本道の中の本道だった、といえなくもないかもしれない、かな?
白山のうつわ、センスがいい割に値段も手頃、ということでデパートなどでもよく見かけるが、これだけまとまって展示されることはまずない。
シンプルだが無機質ではなく、温かみのある造形。大半の作品は20~40年前のデザインなのに、古びていないのはさすが。
1室といわず、2室、3室使って、作品の展示だけでなく完成までの生い立ちなどの紹介もあればよかったのだが。そこまでは常設展では無理か。
最近では、無印良品にて、白磁の細かい線模様のついた(千段と言う。多分)茶碗やカップが取り扱われているのを見たことがある人も多いと思うが、これも、森氏のデザイン。
波佐見焼を中心に、長崎・佐賀の窯元が参加したこの無印良品とのコラボレーション、定着すれば「子どもたちが窯を継げる」と参加メンバーに語ったのだとか。まだ70代。長崎の窯業界も実に惜しい人を亡くしたものです。
美術館の1階売店では販売もされていた。今回は買わなかったが、「平形めし茶碗」、機会があれば購入したいなあ(キモチはゴールデンウィークの波佐見陶器市へ)
長崎県美術館
ホームページ
長崎市出島町2-1
市電出島電停徒歩3分
開館時間 10:00~20:00
休館日 毎月第2・第4月曜日
観覧料(常設展) 一般400円
森正洋展
開催期間 2005/12/13~2006/3/12
長崎県美術館 常設展示室第2室