レジナルド・ヒル「闇の淵」

闇の淵
闇の淵

posted with amazlet on 06.06.26
レジナルド・ヒル 嵯峨 静江
早川書房 (1991/03)
売り上げランキング: 321,654

 

 今気がついたが、今年もほとんど本を読んでいない。わずか3冊(汗)

 読み終えたらブログに感想を書こうと思いつつ、それもほったらかし。

 今年真っ先に読んだ本がレジナルド・ヒルの「闇の淵」。

 お気に入りのダルジール警部シリーズの第10作目。第9作、「子供の悪戯」も未読なので、順序から言えばそちらが先だったのだが、間違えてこちらから買ってしまった。気がついたのは読み出してから。まあいいや。翻訳されていない作品もかなりあることだし。

 いきなりダルジール警視と部下のパスコーが落盤事故で廃坑内に閉じこめられるシーンから始まる。なんだか息が詰まりそうだが、作品世界自体も、斜陽化する炭坑町の閉塞感が立ちこめ、いつものシリーズより重苦しい。この辺りの描写が、この作品の最大の持ち味でもある。ダルジールの辛辣なユーモアは相変わらずで、重苦しい雰囲気を和らげているが。

 相変らず謎解きはどうでもいいが(え)、犯人像はけっこうリアリティがあっていい。いるよねえ、こういう人間、という感じ。

 ダルジールシリーズとしては普通に面白かったです。


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