先週になるが、10月12日より開催の福岡県立美術館「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」を見に福岡へ行ってきた。
スコットランド・グラスゴーの実業家ウイリアム・バレルが蒐集したコレクションを展示。
まずはいきなりのゴッホ。「画商アレクサンダー・リードの肖像」。リードはグラスゴーの画商で、バレル・コレクションにも貢献した人物。ゴッホの弟テオの仕事仲間だったことが縁でモデルになったらしい。
今回の展示もオランダ絵画が充実しており、序盤はオランダ絵画が多数を占めている。ヤーコプ・マリスという画家の、子どもの絵が結構いい感じ。
2室目の静物画以降は、ビッグネームも増えてくる。
静物画だからか、あまり「らしくない」作品が多いな。クールベ、マネ、ルノワールといった面々も、説明文見てやっと誰が書いたかわかる、という始末。そんな中セザンヌだけはひと目見てセザンヌとわかりました。
今回の目玉がドガ「リハーサル」一見雑然とした、無造作に写したスナップショットのような作品で、主題はどこにあるのか、見ていて戸惑う。でもなんというか、この空気感はけっこう好き。この作品は撮影可能。6月の九州国立博物館のルノアールといい、写真撮影可能なケースが増えているようだ。
今回はドガと、もう一作、クールベの「マドモワゼル・オーブ・ドゥ・ラ・オルド」が撮影可能だった。
印象に残ったのは、まずアンル・ル・シダネル。基本子の人の絵は全部好きだけど。今回は2作。シダネルが暮らしたジェルブロワの雪景色を描いた「雪」、それともう一作は今展覧会のラストを飾る「月明かりの入江」。特に「月明かり-」の深みのある幻想的な青は見ていて落ち着いた。
川や海など水のある風景が多かったのはやはり海運業で身を立てた人だからかな。ブーダンの諸作品、特に「トゥーク川の橋のたもとの洗濯女」が印象に残った。
会場の福岡県立美術館。ここの展覧会は久しぶり10数年ぶりかな?。天神からあるいて約10分と立地は良く、建物はなかなか風格があっていい感じなのだが、少し狭くて古い印象。設備も年季が入っていた。
現在休館中だが来年春にはリニューアルオープンする大濠公園そばの福岡市美術館のほうが広いし、ちょっと名前負けしているような。その上太宰府には九州国立博物館もオープンしたし。隣接する須崎公園も噴水が可動してなかったり、手が行き届いていない印象。場所がいいだけにちょっともったいないような・・・
会場:福岡県立美術館 3階展示室
開館時間:10:00~18:00(最終入場17:30)
料金:一般1400円
休館日 月曜
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※2018年10月現在のデータです