恩田陸の短編集。元判事関根多佳雄を主人公にした連作もの。
いわゆるパズラー、本格推理ものだが、謎解きの比重は作品によってまちまち。
長さも作品により差がある。表題作は全12編の中で2番目に短い、ショートショートに近い一編。
老婦人の語る奇妙な話を巡るホワイダニットだが、謎が解けたあと、もうひとつの「なぜ?」が浮かびあがる構成の妙。
一番最後の「魔術師」は逆に一番長い話。地方都市の都市伝説を題材にいくつかの謎が平行して語られ、ちょっと詰め込みすぎな感がある。あとがきによるともともと長編として構想されたものとか。なるほどね。
「待合室の冒険」。この連作集で扱われる謎は、多くが日常的な謎、あるいはアームチェア・ディティクティブのスタイルで、実際の事件と離れた第三者的な視点から謎説きされる中で、唯一主人公の目前で刑事事件として「解決」する話。
ちなみにこの話で探偵役は多佳雄ではなく、息子の春。名作「九マイルは遠すぎる」のオマージュだが、春の名探偵ぶりにはどことなくチェスタトンを思いださせる。
春、それに妹の夏の名探偵ならぬ迷探偵振りが拝めるのが「机上の論理」。謎解き苦手なはしっこのひとだが、これのみ途中で答え分かったぞ(^^ 論理的に考えるより出題者の意図を勘ぐった方が正解導きやすいもの。論理もへったくれもないけど
久しぶりの読書になったが、きっかけはここ最近喫茶店で珈琲飲む機会が増えたこと。食事ならともかく、コーヒーのお伴に本は欠かせませんから。
ここ数年家で読んだ小説ってほとんどないような(^^; 喫茶店でしか本を読めない体質になったのは何故なんだろ(^^;。
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