感動の影の歪み

 久しぶりに高校野球にはまった今年の夏ですが・・・・

駒大苫小牧野球部長、6月と8月に部員に暴力 謹慎処分
 2005/8/22 朝日新聞

 思わぬところでミソつけた感じ(溜息)

 高校側と保護者の間で意見に食い違いがあるようで、この文面だけでは詳しいところはちょっと分からない。この部長の血の気が多すぎたのか、生徒の方の素行に問題があったのか、あるいはその両方か・・・・

 さらに暴力事件そのものだけでなく、これが大会中『隠蔽』されていた、ということも問題になるから、話がややこしい。

 事件そのものは、選手が当事者だった明徳義塾の例とは違って、指導者の起こした問題だから、(当事者の部長、あるいは監督屋高校のエライ人はともかく)チーム自体に対しては厳しい処分は必要ないのでは、という論理も成り立つ。

 だが、明徳が出場辞退という最悪の事態になったのは、事件をおこしたから、ではなく、その報告を怠ったから(同じような不祥事を起こした日本航空高校は、県高野連に報告していたため、出場は認められた)。

 この論旨で行くと、駒大の優勝は取り消し(ないし辞退)にしないと、ダブルスタンダードになってしまう・・・

 正直、これで駒大苫小牧の優勝が「取消」や「辞退」なんて結果になるのだけは勘弁してほしい、というのが本音だけど、それでは高知大会を勝ち抜いてきながら、甲子園の土を踏めなかった明徳の選手がいたたまれない、という一面も

 毎日新聞の記事の二宮清純氏の談話「暴力にはじまり暴力で終わった」は実際に戦った球児たちの奮闘(個人的には特に清峰ナインの頑張り)がスポイルされているようでカチンとくるけど、本来娯楽であるはずのスポーツ=野球が必要以上に教育的なものとして美化されていることがこのような問題の温床になっていることの指摘、とも読み取れる。

 この日記を書く前に、今回の事件に関するブロガーの反応をちょっと見て回ったが、反応は二分。

 体罰(暴力ぜったいダメ)否定派と(それでは教育は成り立たない)肯定派の対立、という一面もあるけど、現状の高校スポーツのあり方に対する見解の相違(スポーツは教育のためのものか否か)と見ることもできる。

 あまりスポーツの場に教育的見解を持ち込まれるのも嘘くさいし、そういった姿勢が高校野球をゆがめてきた部分はあるだろうけど、その「ゆがみ」こそが多くの日本人を熱狂させ、悲嘆させ、感動させている一因であることは紛れもない事実。

 清峰の活躍に熱狂し、超高校級揃いの大阪桐蔭に度肝を抜かれ、駒大苫小牧の偉業に感嘆した今年の夏、あの爽やかな熱闘がいかに危ういバランスの上に成り立っていたのかと思うと、なんだか気の遠くなる感じ。

 考え纏めるつもりが、逆にグダグダになってしまいましたね。この辺りで止めときます。

 なんだか疲れました。←クリックして元気分けて下さい(苦笑)


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9 Responses to 感動の影の歪み

  1. 振り逃げプロ野球 のコメント:

    駒大苫小牧の野球部部長の暴力を学校側が隠蔽した件

    昔から、スポーツ部内で先輩と後輩の関係や、監督と選手の関係などでの暴力沙汰というのはたくさんあるという話は聞く。私が昔聴いたラジオ番組では当時現役のプロ野球選手がゲスト出演していて、「監督は試合に負けたペナルティとして、遠征先から、隣の県にある、自分の学校まで、歩い…

  2. ふらっとblog のコメント:

    駒大苫小牧に暴力

    Yahoo!ニュース – 読売新聞 – 駒大苫小牧の野球部長が部員殴る、高野連に報告せず
     ありゃ〜。{/kaeru_shock1/}優勝報告会が中止ですか…。
     明徳の分を差し引いても、大阪桐蔭からスター選手が生まれるなど、盛り上がった大会だったのに、何とも残念なことが起きてしまいました。部員の保護者からの連絡で明らかになったというのが、いやですね。ここまでくると、その部員は、学校に残れないんじゃないでしょう�…

  3. red hot のコメント:

    はじめまして。
    TBさせていただきました。
    教育の話をされていましたが、確かにスポーツと教育を一緒にすること自体胡散臭いですね。
    それにスポーツと体育は違うものだと思います。
    スポーツは体を動かしてゲームをすることだと思うのですが、体育は日本の戦前の教育方法で軍人を鍛えるためにやっていたように記憶します。(記憶は定かではありませんが)
    戦後になったら、体育は別にしなくてもいいものになったと思うのですが。
    それは私の持論ではありますが…。
    長々、書いてすみません。
    それでは失礼します。

  4. はしっこのひと のコメント:

    はじめまして。
    自分でもよく分からなくなった(苦笑)グダグダな長文に丁寧なコメントいただき、ありがとうございます。
    >スポーツと体育は違う
    なるほど。体育がスポーツの訳語か、もともとあった言葉かは知りませんが、似て非なるこの二つの混淆が今起きている問題の遠因なのかもしれませんね。
    とか言いつつ、「体育」の影響にどっぷりつかっている高校野球に熱狂しているのだから、始末におけない・・・・
    当事者とともに、端て見ている側の意識改革も必要なのかもしれませんね。

  5. 団長 のコメント:

    高校球児は全力で戦った!!
    これは事実だと思います。
    後から書いた文は削除して最初の
    2行だけ残しました。
    これが一番大事にしなければいけない
    事と思ったからです。
    後はもう少し真実が明らかになってから
    考えたいと思います。

  6. はしっこのひと のコメント:

    素晴らしい試合の連続だっただけに「不祥事の大会」で一括りにされることは、正直納得いかないです。
    優勝旗返還という結論だけは勘弁してやって、という感じ

  7. ざわとーく新館 のコメント:

    暴力と体罰・駒大苫小牧の件に関し

     全国高校野球選手権大会で57年ぶりの連覇を果たした駒大苫小牧(南北海道)に衝撃が走った。野球部長(27)が、6月と8月の2回、部員を殴るなどの暴力をふるっていたことが22日、明らかになった。この日午後10時から、同校で篠原勝昌校長(63)らが緊急会見を行い、暴力行 …..

  8. <徳島早苗の間> のコメント:

    ちょっとちょっと・・・(~_~;)。

     ここらでいい加減高校野球ネタ以外の事を書こうと思っていたのだが、再び取り上げざるを得なくなった。
     いきなり入ってきたニュースに唖然。
    ◆駒苫暴力発覚、優勝旗返還も覚悟…◆
     甲子園開幕3日目の8月8日、暴力をふるわれた部員の母親から直接、学校に連絡が入り、篠原校長ら学校幹部も暴力を把握した。
    同4日には明徳義塾(高知)が部員の喫煙と部内暴力で出場辞退した直後だったが、同校長は「被害者の父兄にすぐ対処しますと言ったら、対応は大会後でいいと言われ、それに甘えてしまった」と、高…

  9. たばこのあれこれ のコメント:

    明徳 喫煙などで甲子園辞退その後

    日本高校野球連盟は17日、定例の審議委員会を開き、部内暴力などで第87回全国選手権への出場を辞退した明徳義塾(高知)について、秋季県大会への参加を差し止める応急措置を決めた。これにより同校の来春のセンバツ出場は事実上、不可能となった。
     また、他の3校に…….

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