気まずい珈琲

 しばらく行ってない店がある。小さな喫茶店。とにかくコーヒーが美味しい。

 初老のマスターと、その奥さん、それに20代とおぼしき男性従業員が一人。忙しい時期にはマスター夫婦の娘らしき若い女性が手伝うことも。

 最近になって、奥さんの姿が見えなくなった。自然とマスターと男性従業員二人いることが多くなる。

 マスター、この従業員があまりお気に召さないらしい。たしかにこの従業員、端から見ても不器用そうで、あまり気の利きそうな風ではない。マスターの一つ一つの指示に何処かトゲがある。小言も出る。

 そうなるとどうもいけない。コーヒーの昔と変わらないが、これではゆっくり味わってもいられない。本も落ち着いて読めない。席を立って、会計するのもなんだか気まずい。

 そんなことが何度か続いて、しばらくその店からは足が遠のいている。行こうか行くまいか。あのコーヒーの味は捨てがたいのだけど。

 


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