金刀比羅宮内にある「高橋由一館」
今回の旅行の際は3階で田窪恭二氏の「神椿」について展示されていたが、名前の通り、洋画家高橋由一氏の絵画も展示されている。
常設展示室は1階だが、傾斜に地に建てられた建物、入り口が3階にあるため、一見地下室に下りるような感じになる。
高橋由一というと「鮭」だが
ここにあるのは「鯛」(笑)
うろこ一枚一枚まで精密に描かれた、見るからにうまそうな(ヲイ)鯛です。
静物画も多いが、画題が「鯛」くらいならまだしも「なまり節」とか「豆腐」とか(苦笑)
「洋画」のイメージからは程遠い日常的すぎる画題がなんかユーモラス。
大真面目に豆腐やなまり節と対峙している姿を想像すると、やはりなんか滑稽だが、本人はいたって真剣に洋画の技法を研究していたんだろうなあ。。
高橋って世代的には浅井忠や黒田清輝よりだいぶ前、日本の洋画家の草分けになるらしい。なぜか逆だと勘違いしていた。
やはり「鮭」のイメージが強すぎるのか、静物画の印象しかなかったが、風景画もけっこう多い。
「愛宕望嶽」のように背景がまるで山水画のような絵を見ると、日本画からスタートしたという履歴を強く感じる。「墨田堤の雪」なんか油絵で書いた浮世絵、という感じだ。
夕日をバックにした、ちょっと暗めの重みのある絵が多い。「二見ヶ浦」とか。フォンタネージの影響? まあフォンタネージは画集でしか見たことないのであんまり自信がないけど。
日本における西洋画の草分けとしての歴史的評価はともかく、画風が重たすぎて見ていて退屈なのでは、という気がしていたが、意外とそんなことはなかった。細かすぎるくらいの精密な表現に、新しい技術へのあくなき探究心が透けて見えるような感じ。
現在高橋由一館では「没後30年 濱田庄司展」が開催されているため、常設展示は見ることができない(2008年8月20日まで)ので。念のため。
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高橋由一館
開館時間 8:30~17:00
入館料 500円