久しぶりに読んだミステリー。「ボーン・コレクター」のディーヴァーのサスペンスもの。無差別大量殺人犯とFBIの大晦日からニューイヤーを挟む25時間の攻防を描くスピーディーな展開が特徴。25時間の攻防をこちらは3ヶ月かけてやっと読んだわけだが(^^;
リンカーン・ライムもちょこっとだけ特別出演しているが、この作品の主人公は筆跡鑑定人パーカー・キンケイド。脅迫状の筆跡を手がかりに姿の見えない犯人を追う巧緻かつスピーディな展開はさすがディーヴァー、ぐいぐい引き込んでくる(3ヶ月以上かけて読んだ人間が言っても説得力ないが)
最近のアメリカのミステリーにありがちだが、描写がどこか映画的なところもちらほら。捜査に加わることを躊躇していたキンケイドが、捜査本部に現れるシーンとか特に。
それまで子供を愛する不器用なシングルファザー、といった描かれ方をしていたキンケイドが明敏な職業人としての一面をついに現すこのシーン、たしかにかっこいいシーンではあるんだけど、少々くさい。
ストーリーそのものはシンプル、と思いきや、終盤、大団円を迎えた、と思わせた後から二転三転、どんでん返しの連発は読みごたえ充分。
難を指摘すれば、犯人に意外性があるものの、今ひとつ印象に残らないのが惜しい。ストーリー展開のアクロバットにこだわるあまり、人物造形(特に犯人の)がおざなりになったかなあ。
気になる点はあるものの、全体的には読んで損はない面白い小説。キンケイド主人公の作品はこれだけみたいだけど、続編読んでみたいなあ。
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