この手のネタにはあまり手を出さないようにしているが、これはつい買ってしまった。
この直前に太田光の「マボロシの鳥
」も買っているので、2冊連続でタレント本というのもなんだかだが。
別に水嶋ヒロのファンではないし、とりあえず買わないつもりだったんだけど、「Amazon」のレビューがあまりに酷すぎて逆に興味湧いたところに、立ち寄ったコンビニにおいてあるという偶然が重なり、購入。。
今になって「炎上マーケティング」では? という説も出ているようだが。だとすると見事に引っかかったということだな(^^;
で、賞味2時間もかからず読破。
「Amazon」で言うほど悪い小説じゃないとは思う。
文章は読みやすい。文学的じゃないかもしれんけど、処女作としてはかなりいいんじゃないか、と。
読みやすい文章、て簡単なようでいて意外と難しいもの。特に処女作だと力が入りすぎて読むのが辛いケースも多いだけに。
一部で評判になっているオヤジギャクですが、一応必然性はあります。オヤジギャクに必然性を持たせる必然性はないんじゃなかとも思うけど。てこれじゃ何言ってるか意味分かんないか。これが素人の文章(笑)
とりあえずオヤジギャクに関しては、水嶋さんの一種の照れではないかと、一応好意的に解釈しておきます。
ストーリーの方は意外と起伏に乏しく、あっさり進んでいく印象。淡々と、会話中心に進んでいきます。一捻りあるラストだが、個人的には今ひとつ乗れなかった。帯に「命」の物語とあるけど、これでは脇役のアノ人の「命」の扱いが軽いんじゃないか、と。
主人公の視点からだけの命の物語になっていて、脇役が人工心臓と同じ主人公のための道具になっているような違和感が。
推理小説じゃないんだから、サプライスは別になくてもいいと思うんだけど。なんか無理やり小説の「公式」に従っているような所があるんだよなあ。
「荒削り」というより、むしろ逆に小器用にまとめすぎたような残念さがある。
この内容なら、もっとそぎ落として短編ないし中編にしたほうがプロットには向いていたのでは、という気がした。それでは今単行本として出せないから、ありえないだろうけど。
賞金2000万円の大賞受賞、とかじゃなければここまで叩かれはしなかっただろうけど。そのかわりここまで話題にもならなかっただろうから、痛し痒しですか。
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