お気に入りのレジナルド・ヒル、ダルジールシリーズ。
前回読んだ「闇の淵 」の一つ前の作品。ようするに順序を間違えて買ったわけだが(汗)
読んでみると、「闇の淵 」では警察を辞めている副署長ワトモーの辞職に至るいきさつがサブストーリーの一つとして描かれていたり(これがかなり笑える)、登場人物の重複もあったりで、きちんと順番に読んでおけば良かった、と反省。
ちなみに本題は遺産相続の話。
資産家の老婦人が死んで、遺産目当てに集まる親戚たち。しかし遺言書に書かれていた相続人は、死んだと思われていた長男。そこに長男と名乗る男が姿を現す・・・・
とくれば起こるのは連続殺人、のはずなのだが、予想に反してなかなか死なない。誰も死なない(苦笑)
序盤は特に、本筋よりむしろ、ウィールド部長刑事のホモ問題やダルジールとくだんの副署長ワトモーの対立話で盛り上がる印象。むしろ殺人事件が起きてもたいして盛り上がらないんだ。この作家の場合。
ひねりのきいた警句やユーモアの効いた文章は相変らず読み応えがあるが、肝心の事件の方は割と淡々。まあそれなりに楽しめたかなあ、と思ったら、最後の最後で予想外のひとひねりが。
ここに来て今ひとつピンと来なかったタイトルの意図するところが明らかになる。本筋とは関係ないのだが、これはお見事。
読後感もよく、ダルジールシリーズの中でもかなりオススメの作品。
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