ルシアン・ネイハム「シャドー81」

最近病院通いが増えているが

病院に行くようになって自ずと増えるのが、読書量

どうしても待ち時間長いし、院内はケータイ禁止の所も多いから、本でも読むくらいしかやることないんだよな

ということで、年初から読み始めながら全く進んでなかったこの小説もやっと読み終えた

上のアフィリエイトリンクはハヤカワ文庫版ですが、僕が読んだのはかなり古い新潮文庫版です。古本屋で買ったものなので(^^;

ハイジャックものの古典。TX75E型戦闘機、という架空の最新鋭戦闘機が物語の鍵になるのだが、高性能ながら事故が多発して政治問題になってたりするところ、最近話題のオスプレイ(あれは輸送機だけど)を思わせるのが興味深い。

とは言えこちらは1970年代の作品、ベトナム戦争の影が物語の背景に横たわっているのが、この時代のアメリカの作品らしい。

最初は航空もの独特の専門用語が多くてどうも馴染みにくかった(それでなかなか読めずにいたというのもある)が、ある程度慣れてきて、佳境のハイジャック実行シーンになってくると引き込まれてくる。専門用語に慣れてくれば、文章自体は歯切れがいいのでけっこう読みやすい。犯行達成後に意外な黒幕があらわになる一捻りも用意され、うまい。

犯行そのものは一滴の血も流れないスマートな完全犯罪で、犯人側も罪は犯すが軍人、あるいはパイロットとしての正義感を持つ魅力的なキャラクターとして描かれているので、後味は決して悪くないが、その偏った、というか行き過ぎた正義感が逆に犯罪行為へと駆り立てる一因となっているかのような有り様が、なんだか複雑な読後感を醸し出している。

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