東川篤哉「中途半端な密室」


中途半端な密室 (光文社文庫)
東川篤哉 著

謎解きはディナーのあとで 」の東川篤哉の初期短篇集。

謎解きものだが、あくどい犯罪者が出てくるわけでもなく(表題作だけはあれだけど、まあ結末があれなので。ネタバレになるのであれとしか書けないが^^;)そんなに重くなく、肩の力を抜いて読める。

表題作の探偵役十川一人が主役の連作ものかと思ったら、彼の登場は最初の作品だけ、あとの4作は岡山在住の大学生山根敏が探偵役になっている。

探偵役敏ちゃんとワトソン役のミキオの掛け合いもユーモラスで面白く、論理に偏って単調になりがちなところを和らげている。

本筋とは関係ないけど最後の作品「有馬記念の冒険」の被害者が岡山名物のデミカツ丼屋さんというのが妙に懐かしかった。4年前岡山に旅行した時に食べたから、という個人的な理由だけど(参照:やまと デミカツ丼と岡山ラーメン)。あの味はまた食べたい。

「竹と死体」。古新聞に載っていた不思議な事件の謎を解明するという純粋な安楽椅子探偵もの。どうやって謎解きするのかとおもいきや、新聞の日付を端緒に解明してく手管は鮮やか。

「十年の密室・十分の消失」。建物消失トリックはありがちな感じだけど、動機の設定がうまい。読後感の良さにつながっている。

トリック面に関してはそんな新味や意外性は感じないんだけど、使い方がうまいな、という印象。

表題作も考えてみればほっとけば警察がすぐに解決してしまいそうな話しなのだが、喫茶店での常連同士のおしゃべり、という設定と話の持って行き方の巧妙さで読ませてしまっているのはさすが

表題作は鮎川哲也監修の「本格推理」8巻が初出らしい。だとすると読んだことあるはずなんだけど、完全に忘れてしまってる(^^;

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