島瀬美術センターで開催されている「石元泰博」展、行ってきた。
1階でチケットを買って、会場は4階、3階、2階の3フロア。4階までエレベーター使わず階段で歩いたら死にそうになった(^^;
予備知識もほとんどなく行ったが、ほとんどが白黒写真。制作年代は1950年代から2000年代まで幅がある。
まず4階は風景写真。シカゴと東京の写真がほぼ交互に陳列されている。並んでいる写真のテーマはだいたい同じで、街の対比を強調したような陳列。
何故にシカゴ、と思ったら、この写真家さん生まれはアメリカで、少年期を日本(高知)で過ごしたあと、青年期はアメリカに留学してたんですね。第二次世界大戦中はアメリカ留学していたため、日系人収容所に収容されて、53年までアメリカにいたらしい。
そのためか、どことなくドライな雰囲気の写真が多い。印象に残る作品も東京を題材にしたものよりシカゴ題材のものが多かった。
50年台の作品が多いのでどうしても東京の風景がシカゴに比べると貧乏臭い、というのもあるんだが。
とりあえず秦野章氏ををJFKと並べるのはやめてあげてほしかった。ある意味公開処刑(^^;
3階に移動。まずは桂離宮の写真。
これが予想以上に良かった。最初の襖の引手の写真の左右対称な構成の美しさからはじまり、畳や襖の長方形が織りなすモンドリアンのような雰囲気の写真も面白い。桂離宮を絵具代わりに描かれた抽象画のような趣き。
2階の「シカゴ ビーチ」の太った中年女性の後ろ姿を写した写真なんかはレジェを想起させる独特の質感がまた面白い。
ヌード写真はオブジェのようだし、雲や水面の模様を切り取った写真などは、より抽象を突き詰めた印象がある。
最後は「シブヤ シブヤ」。東京は渋谷の街の情景を切り取った白黒写真は2000年代の作品。石元氏は1921年の生まれだそうだから、80歳の頃に撮った写真か。乾いた雰囲気は(枯れた、では決してない)とてもそう思えないな。
被写体(主に背中だけど)はなんというか「渋谷アンダーグラウンド」な雰囲気が写真からでも漏れてくるような人たちだから、その意味でもよく撮ったな、と(^^;
写真がメインだが、一つだけ映像作品もあり。シカゴ時代に撮った音楽(シカゴブルース?)に興じる黒人たちを撮った8分ほどのフィルム。古い(1951年撮影)なので画質はかなり悪いんだけど、これがまた良い感じだった。
15日からはきらきらフェスティバルが開幕。美術センターのある島瀬公園ではイルミネーションの準備が着々と進行中。
キラフェスが始まるともう冬だなあ、という気分になります
島瀬美術センター
営業時間 10:00~18:00
休館日 火曜日
入場料 一般:500円
島瀬バス停徒歩1分
営業時間 10:00~18:00
定休日 火曜日