福岡に1泊2日の日程で行ってきた。
時系列は逆になるけど、2日目に行ってきたイムズ・三菱地所アルティアムの「チャペック兄弟の絵本・ブックデザイン・舞台」展から(開催期間が7月15日までなので)。アルティアムでは過去にも東欧の展覧会が開催されているけど、三菱と東欧ってなにか深い関わりがあるのかな?
カレル・チャペックは20世紀初頭のチェコスロバキアの作家・エッセイスト。「R.U.R」という作品(戯曲)にてはじめて「ロボット」という言葉を用いた、「ロボット」という言葉の生みの親だけど、カレルいわく、この造語を作ったのはカレルの兄で画家のヨゼフ・チャペックであるとのこと。
「R.U.R」に登場するのは、現在使われる機械的な「ロボット」というよりは、人間に近い人造人間やバイオノイドに近い存在。日本でも1923年には「人造人間」のタイトルで翻訳され、翌24年には日本でも上演されたそうで、当時の舞台の写真も展示されていた。。
最も「ロボット」に関する内容は展示のごく一部。いちばん印象に残ったのはカレルの愛犬との生活を題材としたエッセー「ダーシェンカ あるいは子犬の生活」の挿絵、写真の数々。シンプルな線で描かれた可愛らしい犬のイラストは仙厓の禅画を想起させる洒脱さがあった
ほっこりした気持ちになるイラストが多いが、当時のチェコスロバキアは台頭するナチス・ドイツの侵攻を受けていた時期。反ファシズムを貫いたチャペック兄弟はナチスに敵視されており、弟カレルは1939年ナチスがプラハを占領する4ヶ月前に肺炎で死去、兄ヨゼフは強制収容所で1945年に命を落としている。
観覧後、ショップではクリアファイルとポストカードを購入。Tシャツがあれば欲しいな、と思っていたけど、残念ながらなかった
あまり意識はしていなかったが、現在福岡は博多祇園山笠の時期。イムズの吹抜けにも絢爛たる山笠が鎮座。インパクトありました。
※2019年5月現在のデータです
2015/06/01 東欧アニメーションの世界ーポーランド・チェコ・クロアチアー
2018/10/31 バスキアとNYアーティストたち ローランド・ハーゲンバーグ写真展
2019/03/16 三菱地所アルティアム「田根剛 未来の記憶」
2019/05/23 日常のとなり