福岡では、福岡県立美術館のバレル・コレクションとの前に、もう一つ。
当時イムズ8階・三菱地所アルティアムで開催されていた「ローランド・ハーゲンバーグ写真展」(10月21日までの開催。現在はすでに終了)も鑑賞してきた
最初は予定になかったけど、行きがけのバスの中、スマホでチェックしてみたところ開催されているのに気がついたので
イムズ8階のごくこじんまりとしたミュージアムだけど、時々個性的な企画展を開催しているので福岡を訪れたときは要チェックな場所。今回の展覧会はマルチメディアアーティストでライターのローランド・ハーゲンバーグ氏が1980年台に取材を通じて交流した当時ニューヨークで活躍していたアーティストのポートレートが展示。
タイトルのとおり、その中でもメインとなるのがジャン・ミッシェル・バスキア。
「大地震のあとにホームレスに占拠されたような」と形容される彼のスタジオ写真は平面的な彼の作品を3D化したらこうなるのかな、と思わせる雰囲気。
雑然とした中にぽつんと佇むテレビの存在感が異世界と俗世間をつなぐ唯一の出入り口のような感じがして妙に気になる。
後半はバスキア以外のアンディ・ウォーホル、キース・ヘリングら有名アーティストのポートレイトが。
フランチェスコ・クレメンテ、まだ存命のアーティストだけど、世代的にはバスキアより一世代上になるのか。1996年にハウステンボスで開催された「バイエラーコレクション」で作品を見て以来、印象に残っているアーティスト。
ウォーホルは1928年生まれでバスキアとは親子ほどの年の差があるけど、作品を共同制作する中だったとか。バスキアのなくなる1年前、1987年に58歳で死去。キース・ヘリングも80年台ストリートアートのビッグネームだけど、1990年に31歳の若さでなくなっている。
バスキアが今この時代に存命だったら、どのような活動をしていたか、ちょっと気になった。もしバスキアが存命だったら57歳。SNS全盛の今だったらFacebookやinstagramでファンと交流したり、大統領選の結果になにかコメント残してたりしたのだろうか。
まあ早世したことがバスキアの存在を神格化させ、80年代のアイコンに至らしめている面は否定出来ないけど。
はしっこのひとはまだ佐世保の片隅で世界の動向など知る由もなく小学生してたころ、美術館で作品を通してしか見ることのないいアーティストが生身の人間として命を削るように創作活動していた、という事実にはなんか感慨深いものを感じました。
そういえばイムズ、3年ぶりに立ち寄ったけど、前に訪れたときにひと休みした本屋軒カフェ「Solid & liquid Tenjin」(参照)は残念ながら閉店してました。現在は代わりに紀伊國屋書店が入ってます。
会場:三菱地所アルティアム
開館時間:10:00~22:00
※2018年10月現在のデータです